■注意■

当ブログは、こちらに引越しました:

http://amzn1.blog102.fc2.com/

みんなのブログポータル JUGEM
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています



|- | - | - |
「三国志」(吉川英治)レビュー
三国志

三国志

(吉川英治) 講談社 ¥798 [第1巻〜第8巻]

★★★★★

三国志は、吉川英治の他にも、北方健三宮城谷昌光など多くの作家が手がけており、漫画まで出ているため、どれから読んでいいものか分からない、あるいは一般的な「三国志演義」と正史の「三国志」との違いが気になって、何を読んでいいのか分からない、という人もいるでしょう。私自身もそうした迷いがあった中で、吉川英治の三国志を読みましたが、結果としてよかったと思っています。他の作家の三国志を読んでいないので比較はできませんが、少なくとも、面白く読みたい、常識的な知識を得たい、という要求条件は十分に満足させてくれるものでした。

この三国志は「三国志演義」をベースに、著者独自の視点で大胆に加筆されたものだと言われています。そのためか、登場人物の相関関係を頭の中で容易に整理しながら、感情移入しながら読むことができました。特に、第4巻から第5巻にかけて、劉備が諸葛孔明を迎えて態勢を整えていくあたりは、読んでいてわくわくする面白さがあります。
◆こんな人におすすめ … 歴史に興味のある全ての人。
◆効用 … 中国の歴史の壮大さ、人心掌握の難しさ、人間の普遍的な本能など多くを学べる。
→ Amazonで詳しく見る


|吉川英治 | comments(0) | trackbacks(0) |
「人名の世界地図」(21世紀研究会)レビュー
人名の世界地図

人名の世界地図

(21世紀研究会)文芸春秋 ¥819

★★★☆☆ 

日本人の人名に関しては、その苗字や名前の由来に興味があっても、外国人の名前には関心がないという人が多いのではないでしょうか。しかし、外国人の人名のほうが、歴史的背景が複雑であるということは、少し考えれば分かることでしょう。本書は、世界各地(欧米、イスラム圏、中国・朝鮮半島、アフリカなど)の人名について、その意味・由来・伝説について幅広く説明されています。

名前には、宗教や職業など、さまざまな意味がこめられていることが分かってとても興味深いです。また、例えば、John, Jean, Juan, Johann, Ivanなど、異なる国での響きの似た名前の多くが、共通の語源を持つことも意外でした。多くの名前の事例が整理されて掲載されているので、データベースとしても使えます。
→ Amazonで詳しく見る


|歴史・地理 | comments(0) | trackbacks(1) |
「日本人の英語」(マーク・ピーターセン)レビュー
日本人の英語

日本人の英語

(マーク・ピーターセン) 岩波書店 ¥735

★★★★★ 

英語の文法には、日本語にない概念が多くありますが、本書を読めばその重要なポイントをネイティブ・スピーカーの感覚で理解できます。まさに、目から鱗が落ちるような本でした。英語と日本語の両方を理解している著者だから書ける本でしょう。特に、冠詞と複数・単数の考え方の説明は必読です。前置詞(特に in, on, of)の使い方、時制(特に完了形の考え方)、関係詞などについても、日本人が誤解しがちな項目を採り上げて説明されています。

本書を読んだ次の日からは、今まで気にしなかったことにも目を向けて納得しながら英文を読むことができるようになりました。高校生の頃にこれを読んでいたらもっと効率的に英語力を向上させられただろう…と思いましたね。"Song for U.S.A.","University of Meiji"という表現に違和感を感じない人はぜひ一読をおすすめします。
→ Amazonで詳しく見る


|[語学] 英語学習一般 | comments(0) | trackbacks(0) |
「葉桜の季節に君を想うということ」(歌野晶午)レビュー
葉桜の季節に

葉桜の季節に君を想うということ

(歌野晶午) 文芸春秋 ¥1,950

★★★☆☆

「このミステリーがすごい!2004年版」で1位になったという理由だけで読んでみました。事前に「トリックに騙された…」という感想をいくつか見ていたので、注意して読んでいたのですが、やはり騙されました。同種のトリックの経験者でない限り見抜くのは無理でしょう。どの時点から騙されてたのかと思い、最初から読み返してみたのですが、本当に序盤から騙されてましたね。

ただ、トリックは面白かったのですが、全体として、感動・興奮・余韻のようなものはほとんど残らず、ただ「騙された」という印象があるだけで、やや物足りませんでした。「このミス」で上位にランクされた作品は最近ドラマ化・映画化されることが多いですが、この作品は映像化不可能ですね。本読みだけが楽しめる作品です。
→ Amazonで詳しく見る


|その他・国内男性作家 | comments(0) | trackbacks(2) |
「模倣犯」(宮部みゆき)レビュー
模倣犯

模倣犯

(宮部みゆき) 小学館 ¥1,995 [上巻・下巻]

★★★★

大掛かりな小説ですね。複数の殺人事件を中心に、被害者・加害者双方の心理描写や生い立ちに至るまで、かなり細かく描かれています。また、ルポライターやテレビなど、マスコミ関係者が重要な役割を果たすところも斬新で、長編でも飽きることなく読めました。

ただ、やや冗長な印象を受けました。特に中盤は間延びした印象を受けました。逆に、後半は、話が急展開してくるあたりで、これからどうなるのだろう?とワクワクしているうちにあっさりと結末を迎えてしまったような気もします。これだけ長い話だったのだから、終盤はもっと盛り上げてほしかったのですが。きっと、作者が伝えたかったことが、冗長な中盤の部分、特に犯人の犯行動機や生い立ちに関する部分に書かれていたのだろうと想像します。
→ Amazonで詳しく見る

※関連商品 … 映画版: DVD「模倣犯」


|宮部みゆき | comments(2) | trackbacks(1) |
「あなたもいままでの10倍速く本が読める」(ポール・R・シーリィ)レビュー
あなたもいままでの10倍速く本が読める

あなたもいままでの10倍速く本が読める

(ポール・R・シーリィ) フォレスト出版 ¥1,365

★★★★

一口に速読法といってもいろんな方法があります。全てに共通して言えることは、極限まで集中力を高めて行なうということくらいでしょうか。私が従来から知っていた方法は、眼球を速く動かす訓練を積むことで視野を広げ、多くの文字を目に焼き付けるというものでした。あまり上手くいきませんでした。

さて、本書では、少し違ったアプローチがとられています。メインの読書の前後に、「プレビュー」「マインド・マッピング」などの様々な過程を伴うのです。これは、以前から私も漠然と考えていた読書法だったので、共感できるものでした。ただ、肝心の「フォトリーディング」だけは、まだできません。焦点をぼかしてページの映像を意識下に保存させるという処理が、具体的にイメージできない状況です。もしフォトリーディングができるようになれば、私の本書に対する評価も変わってくるでしょう。
◆こんな人におすすめ … 速読したい人。向上心があって忙しい人。
◆効用 … 速く読めるような気になれる。少なくとも本の概要を効率的に把握する能力は身に付く。
→ Amazonで詳しく見る

※関連商品 … 原書: 「The Photoreading Whole Mind System」


|自己啓発・能力開発 | comments(0) | trackbacks(2) |
「新史太閤記」(司馬遼太郎)レビュー
" target=_blank>新史太閤記

新史太閤記

(司馬遼太郎)新潮社 ¥660 [上巻・下巻]

★★★★★

子供の頃にNHK大河ドラマ「おんな太閤記」を見て以来、豊臣秀吉のファンなのですが、本書を読んだのは大学生の頃でした。あまりに面白くて一気に読んでしまった記憶があります。秀吉ファンには気持ちよく読めるように書かれています。というのも、秀吉には、出世欲や征服欲が強く、また晩年は惨めな思いをしていたというような負の部分もあるのですが、本書にはそのようなマイナスイメージを与える記述がほとんどなく、極めてスピーディーに秀吉の出世物語を描いているからです。

史実を知ることよりも、娯楽として楽しめる作品だと思います。ビジネスマンにとっては、マネジメントや組織論の勉強にもなるでしょう。
◆こんな人におすすめ … 出世したい人。織田信長より徳川家康より、豊臣秀吉が好きな人。
◆効用 … 秀吉のサクセスストーリーを短時間で追体験できる。
" target=_blank>→ Amazonで詳しく見る

※関連商品… 太閤記関連のDVD: " target=_blank>「太閤記〜サルと呼ばれた男〜」


|司馬遼太郎 | comments(0) | trackbacks(0) |
「英語リスニング・クリニック」(篠田顕子, 石黒弓美子, 水野的, 新崎隆子)レビュー
英語リスニング・クリニック

英語リスニング・クリニック

(篠田顕子, 石黒弓美子, 水野的, 新崎隆子) 研究社出版 ¥2,625

★★★★★ 

図表もなくカラー印刷でもないので一見読みにくそうですが、一度読み始めるとなかなか楽しいです。でも内容は非常にシビアです。著者の4人は放送通訳や英語の音声面の分野でのプロ中のプロの方々なので、中途半端な気持ちで読んでいると、学習姿勢を正されることになるでしょう。本気でリスニングの勉強をしようと思っている人は、何とかついていけると思います。

本の構成として、リスニングを学習する二人の「患者」が勉強する過程を読者が追体験するという形をとっているため、実際に「治療」を受けているような感覚で勉強できます。また、音声の題材(CDに収録)も、南アフリカのツツ大主教のスピーチなど、知的好奇心をそそられるものが厳選されているので、飽きることがありません。さらに、ボキャブラリーやリーディングの学習との関連にも触れているため、英語の総合的な学習にも役立つ内容になっています。
→ Amazonで詳しく見る

※関連商品 … 同シリーズ初心者向け: 「英語リスニング・クリニック―Diagnoses and remedies (初診者コース)」


|[語学] 英語学習一般 | comments(0) | trackbacks(0) |
「羊たちの沈黙」(トマス・ハリス)レビュー
goodluck

羊たちの沈黙

(トマス・ハリス) 新潮社 ¥820

☆☆☆☆

はじめにおことわりしておくと、私が読んだのは日本語訳のみで、原書は読んでいません。また、日本語訳を読んだ後、映画版を見ました。ここでは、日本語訳についてのレビューをします。まず、読むのに疲れましたね。この分量の小説を読むのに通常かかる時間の2倍の時間をかけて読んでしまいました。また、いまひとつ印象に残るものがありませんでした。よほど注意して読まないと、話のポイントを見逃してしまいそうになったり、恐いシーンのはずなのに恐がることを忘れてしまったりします。おそらく原書では、そんな読み方にはならないだろうなと想像できるのですが…。

映画は、ジョディ・フォスターやアンソニー・ホプキンスの名演のおかげで非常に楽しめたので、なんで小説を読むのにあんなに苦労したのか不思議になったほどでした。
◆こんな人におすすめ … 有名な映画の原作が読んでみたいという人。
◆効用 … 翻訳にもいろいろあることが分かる。
→ Amazonで詳しく見る

※関連商品 … 原書: 「The Silence of the Lambs」,映画版: DVD「羊たちの沈黙〈特別編〉」


|トマス・ハリス | comments(0) | trackbacks(0) |
「白夜行」(東野圭吾)レビュー
白夜行

白夜行

(東野圭吾) 集英社 ¥1,050

★★★★★

今まで読んだミステリー小説の中での最高傑作の一つです。主人公の二人が魅力的で、また二人の描き方にも特徴があり、読むことを止められないほど小説の世界に引きずり込まれました。文字どおり寝食を忘れて読んでしまいました。

二人の男女の絆の描き方として、こんな方法もあるのか・・・と感心させられます。実によく計算されて書かれていると思います。また、70年代から始まって、時代背景とともに二人が大人になっていく過程も面白いですね。昔のパソコンやゲームに関する記述などは懐かしく読めました。しかし、二人が成長し周囲の環境が目まぐるしく変わっても、子供の頃からずっと変わらず抱えているものがあって、そのコントラストがミステリアスでした。最後に全ての謎が解き明かされたときは、本当にショッキングで、読後もしばらく小説の世界から抜けられず呆然としていました。
→ Amazonで詳しく見る


|東野圭吾 | comments(0) | trackbacks(1) |