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2011.02.12 Saturday
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「英語の発音パーフェクト学習事典」(深沢俊昭)レビュー
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2004.11.28 Sunday 23:02
英語の発音パーフェクト学習事典
(深沢俊昭) アルク ¥2,940
★★★★☆
英語の勉強において、文法とボキャブラリーは、膨大な知識を詰め込む必要があるため大変な労力を要しますが、発音の勉強は、それほど多くの知識は要りません。体で覚えるものです。だから発音の勉強は、どうせなら完璧にやりたいものですね。ところが、英語の発音の学習書の多くは、必要以上に簡略化して易しく説明してしまっているため、中途半端な発音しか身につけられないようになっています。
本書のいいところは、これ一冊をマスターすれば発音は完璧だ、と思えるほど、内容が充実しているところでしょう。音声学的な観点からの説明もあり安心できます。特にPart4の「同化」とPart7の「脱落」の部分は、漠然としたイメージしかなかったことが体系的に説明されていたため、本当に役に立ちました。
◆こんな人におすすめ … 英語の発音に自信がない人。発音の勉強をきちんとしたことがない人。
◆効用 … 今までの自分が恥ずかしくなるほど、英語の発音が改善される。
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「信用取引入門」(楠雄治, 倉林るみ子, 福永博之)レビュー
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2004.11.28 Sunday 03:51
信用取引入門
(楠雄治, 倉林るみ子, 福永博之) パンローリング ¥2,940
★★★★☆
信用取引の解説書を最近よく見かけるようになりましたが、その多くが、売買のテクニックに走って「少ない元手で大きく稼ごう」と読者を煽るばかりで、肝心の信用取引の仕組みや背景について詳しく解説していません。仕組みを深く理解しないまま信用取引を始めるのは危険だと思います。
その点、本書は、必要な知識が得られるよう工夫して説明されています。特に、証券金融会社を中心とした資金・株券の流れ、金利の計算の仕方、新聞で公開される日証金残高などの各種データなどについて、詳しく説明されています。私も、本書で知識を整理した上で、証券会社で信用取引の口座を開設しました。
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「斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇」(太宰治)レビュー
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2004.11.28 Sunday 01:30
斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇
(太宰治) 文芸春秋 ¥670
★★★★★
太宰治の代表作11篇が1冊の文庫に収められていてお買い得といえるでしょう。一部でファンが多い「女生徒」が入っていないのが残念ですが、これだけあれば太宰ワールドを満喫できます。また、本文と同じページに注釈があったり、巻末では60ページ以上かけて、太宰治に関する詳細な解説と年表が掲載されていたりと、満足できる構成になっています。
個々の作品について今さら論評するのも気が引けますが、「人間失格」などは、読む年齢によってずいぶん印象が変わるものだと思いました。主人公が27歳のところで話が切れますが、27歳であんな状態になるなんて、27歳を数年過ぎた年齢なって読むと不思議な感覚があります。「走れメロス」は、子供の頃に教科書で読んだ記憶があったものの細かい内容は忘れていたので、懐かしい想いで読むことができました。
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「白い巨塔」(山崎豊子)レビュー
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2004.11.23 Tuesday 05:48
白い巨塔
(山崎豊子) 新潮社 ¥620〜¥740 [第1巻〜第5巻]
★★★★★
山崎豊子の小説で初めて読んだ作品でした。あまりに描写が具体的で、専門用語も多用されていたため、ノンフィクションかと錯覚しそうになりました。取材・調査に膨大な時間と手間をかけなければ絶対に書けないほどの大作です。そのため、医療に関する様々な情報を提供してくれる作品でもあります。
昭和三十年代の大学病院が舞台になっていますが、古い感じはしませんでした。問題の本質が今も昔も変わっていないからでしょうか。特に、大学病院の実態・医療過誤に感心がある人におすすめできる本です。また、病院・医者との接し方について改めて考えるきっかけにもなります。
最近、フジテレビでドラマ化されました。ドラマを先に見た人が本書を読んでみても、ドラマにはないリアリティに圧倒されることでしょう。財前のキャラクターはドラマと小説であまり変わりませんが、里見は微妙に違うと思います。
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「動機」(横山秀夫)レビュー
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2004.11.23 Tuesday 01:55
動機
(横山秀夫) 文芸春秋 ¥540
★★★☆☆
実は私は普段ほとんど短篇集を読まないので、この作品に対して正当に評価する自信がないのですが…。長編と比べるとどうしても薄っぺらい感じは否めませんね。中には、途中からオチが簡単に読めてしまう話もあるし。警察官がたくさん出てくる短編集が好きな人は、楽しく読めるでしょう。
それでも、一つ一つの短篇に個性があり、バランスもとれているので、読んでいて飽きなかったです。特に「逆転の夏」は、「やられた…」とうなってしまうほど秀逸でした。短篇でもこれだけ見事などんでん返しを展開できるのですね。「密室の人」は、夫婦のすれ違いの様子が、今まで読んだことがないような不思議な感覚のもので、妙に印象に残りました。
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「セックスボランティア」(河合香織)レビュー
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2004.11.21 Sunday 23:32
セックスボランティア
(河合香織)新潮社 ¥1,575
★★★★★
最初は興味本位で手にとってみたのですが、予想以上に深層に踏み込んだ内容だったので、真剣に考えながら読ませてもらいました。障害者の性については、漠然と考えたことはあったものの、例えば手が動かない人は自分で自慰行為ができないなど、考えてみれば当たり前のことを認識していなかったことに反省させられる思いでした。
また、性の介助者という立場があることも初めて知りました。介助の行為については、理解できる反面、どこか違和感を覚えました。障害者だけが介助の利用を許されて健常者には許されないとすれば、そこまではっきり区別することが果たして適切なのか、といった疑問も残りました。本書は、性の介助という部分に重点が置かれた内容でしたが、障害者の恋愛に関する部分をもっと深く書かれるとさらによかったかと思います。また、本書がきっかけで風俗産業のあり方などが広く議論されることを期待したいと思います。
◆こんな人におすすめ … 性について改めて深く考えてみたい人。
◆効用 … 人それぞれの性との関わり方があることが分かる。
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「理由」(宮部みゆき)レビュー
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2004.11.21 Sunday 22:30
理由
(宮部みゆき) 新潮社 ¥900
★★★★☆
直木賞受賞作ということもあり、宮部みゆきの代表作という人もいますが、宮部作品の中ではそれほどでも…というのが率直な印象です。もちろん、さすが宮部みゆき…と言えるほど、一気に読ませる面白さのある作品ではあります。殺人事件をノンフィクション的な手法で書かれているところには、一般のミステリーにはない新鮮さがあります。特に印象的なのは、一つの事件には、その事件そのものを中心にして同心円状に、被害者・加害者・目撃者・周辺人物など、実に多くの関係者が存在すること、また彼らが様々な形で事件に関わっているということをリアルに描いているところです。
客観的な描写が多いためか、特定の人物に感情移入しながら読むという形にはなりませんでした。そのため、何かすっきりしない消化不良のような読後感がありましたね。映画化されるそうですが、やはり誰が主人公なのかあえて明確にしないようにキャストの紹介をしているのも、よく理解できますね。
◆こんな人におすすめ … 高層マンション住まいに興味がある人。
◆効用 … 不動産業界の難しさが分かる。ルポルタージュ手法のミステリー小説を味わえる。
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「へんないきもの」(早川いくを)レビュー
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2004.11.21 Sunday 02:34
へんないきもの
(早川いくを) バジリコ ¥1,575
★★★★☆
ありそうで無かった本でしょう。テレビや図鑑などで変な生き物を見ることはありましたが、それをまとめて並べると圧巻です。見開き2ページで1つの生物を紹介しています。左側のページの解説がユーモアに溢れているのもポイントです。右側のページのイラストも綺麗です。写真よりもイラストのほうがむしろ良かったのでしょうね。
理科(生物)の副教材の図鑑を見るのが好きだった人やガラパゴス諸島に行ってみたい人は、かなり楽しめると思います。本書からお気に入りの動物を見つけてさらにwebで調べたりすると面白いですね。ちなみに私のお気に入りは「オオグチボヤ」「コモリガエル」です。植物編もあるといいですね。
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「蹴りたい背中」(綿矢りさ)レビュー
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2004.11.19 Friday 03:32
蹴りたい背中
(綿矢りさ) 河出書房新社 ¥1,050
★★★★☆
賛否両論ありますが、私は次の点で評価したいと思います。まず、何よりも読んでいて楽しめる、面白いということです。綿矢りさ本人も、作品の趣旨について、楽しんで読んでもらえればいいとどこかで言っていましたが、実際読んでいて思わず爆笑してしまうシーンもあったほどでした。また、描写がとてもリアルで秀逸ですね。自分自身の高校生の頃の記憶を呼び起こしてくれました。理科室、陸上部の部室、教室など、それぞれの場所の独特の雰囲気の描き方が上手いです。さらに、この作品には「匂い」に関する描写が要所要所に隠れています。嗅覚って、他の感覚と比べると昔の記憶を強く呼び起こすものなので、ノスタルジックな感覚に拍車をかけてくれました。
「インストール」に続いて映画化でもドラマ化でもしてほしいですね。本作品は、まだまだ描いている世界が狭いですが、作者の潜在能力と将来性が十分に感じられたので、次作がとても楽しみです。
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「砂のクロニクル」(船戸与一)レビュー
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2004.11.19 Friday 00:19
砂のクロニクル
(船戸与一) 新潮社 ¥740〜820 [上巻・下巻]
★★★★★
激しい小説です。何でもありですね。物語の背景にあるのが、クルド人国家の独立の問題だったり、武器の大量密輸だったりと、スケールが大きいのです。また、人が死ぬシーンもたくさんありますが、死に方が激しい。恋愛も激しいです。
全てが嵐のように過ぎ去ってしまうような展開ですが、最後にマハバードに主要な人物が集結していくところはかなり盛り上がります。でもラストは幻想的な不思議な終わり方でしたね。こういう小説を読んでいると、歴史を動かすようなことをしてみたいという衝動に駆られます。
◆こんな人におすすめ … イラン・イラクを旅行してみたい人。クルド人に関心がある人。
◆効用 … イスラム原理主義の哲学に触れることができる。
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