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「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(リリー・フランキー)レビュー
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2007.09.14 Friday 19:13
私が本書で最も価値があると思ったことは、通常なら恥ずかしくて表に出しにくい話を、堂々と具体的に分かりやすく示していることです。学生時代の無気力な生活や、貧しく困窮した生活、近親者の病床での姿など、あそこまではなかなか書けないと思います。オカンへの強い思い入れ、誇りに思う気持ちがあるからこそ、そこまで書けるのだろうと思いました。本書を読むと、親孝行をどうするべきか、親が最期を迎えるときどうするべきか、など考えさせられます。
本書の中で一箇所、読んでいて、はっとした一節があります。
『・・・・・
自分だけのことで夢中になっていると、駆け抜けていようと転がり続けていようと、その時間は止まっているように感じる。自分しか見えず、自分の体内時計だけを見ていれば、世界の時間は動いていないのと同じだ。
しかし、ふと足を止めて周囲を見渡す余裕が一瞬でも持てた時、甚だ時間が経過していたことに気がつく。
自分ではなく、対象となるものに目を向けた時、どれだけ時間が止まっているように過ごした時でさえ、確実に日めくりはめくれていたのだということに気付く。
そして、その時にはなにかが手遅れになっていることに、もうひとつ気付く。
・・・・・』
自分のことばかり考えて周りが見えていない状態が続くと、何か取り返しのつかないことなる、ということは薄々感じていましたが、こう書かれると納得できます。
もう一つ本書で評価したい点は、この手の、昔の回想録のような小説には、恋愛が大きく扱われることが多いのですが、本書は恋愛に関する記述が少ない、というよりほとんど無かったことです。世の中には、もっと大事なことがたくさんある、ということをよく知らせてくれていると思います。
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2007/09/16 10:21 PM posted by: カフェビショップ東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ / リリー・フランキー これってエッセイ?私小説? 文章の感じはエッセイっぽかったので、けっこう読みやすかったです。 章の始めに“五月にある人は言った。”とかかっこつけた文章が書いてあって、 その部分はまっ
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2007/09/26 7:34 AM posted by: 本を読もう?U読みやすさ、ユーモア、強烈な感動! 同時代の我らが天才リリー・フランキーが骨身に...
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2007/10/03 7:36 AM posted by: ほなみのブログ東京タワー東京タワー(''Tokyo Tower'')とは、東京都港区 (東京都)|港区芝公園四丁目にある赤色(正確にはオレンジ色|インターナショナルオレンジと呼ばれる)と白色を交互に配した塗装の集約電波塔である。配色の理由は、航空障害となり得る煙突や